第46回GIF専門家グループ会合・第52回GIF政策グループ会合の開催


 2021年10月18~20、27、28日、WEB会議として、第46回GIF専門家グループ会合、及び第52回GIF政策グループ会合が開催されました。

 開会にあたり、上出PG議長から、安全性確保や気候変動問題の解決、そして第4世代炉の社会実装に向け、GIFが創設から20年間かけて実施してきた炉開発と評価法開発に対する感謝が述べられました。 さらに、このような活動を通じ、GIF内外のステークホルダーとの関係性が深まるにつれ、GIFが若い世代、技術開発者、学識関係者、政策立案者、規制当局、民間企業など、より幅広い関係者と交流を深める状況となってきており、よりニーズに即した発展が可能となってきている。特に、ここ3年間は、GIFの目標である安全性、経済性、核拡散抵抗性・核物質防護にかかわる評価レポート/ケーススタディのみならず、原子力エネルギー導入/利用の柔軟性、R&Dインフラストラクチャーニーズ、先進的な製造技術と材料工学技術の利用促進にかかわるポジションペーパーの発行やワークショップの開催など、第4世代炉の社会実装を設置国のニーズ/状況をふまえ加速していく活動ができている。COP26へのアプローチを含め、GIFがこのようにリーダシップを発揮し、第4世代炉の展開をリードできていることをうれしく思う旨、挨拶が行われました。
 また、OECD/NEAのマグウッド氏から、世界の脱炭素化の流れ、技術開発機関と産業界連携の動きの中で、GIFの活動がますます重要となってきており、NEAとして協力を惜しまない旨、挨拶が行われるとともに、IAEAのチュダコフ氏から、2003年の協力開始以降、GIFとIAEAは、GIF開発目標に関わる分野のみならず、教育・訓練、SMR、原子力熱利用などその協力範囲を拡大し、良好な関係を築けている旨、挨拶がありました。

 会合では、GIFが推進する6炉型に関する研究開発協力、評価手法等に関するワーキンググループ/タスクフォースの進捗状況の報告と今後の活動方針に関する活発な議論が行われました。また、各国におけるR&Dプロジェクトの実施状況、技術的成果物に関する情報提供が行われるとともに、第4世代炉の社会実装を加速していくための方向性、企画案、アクション案が協議され、2022年度からの新リーダーシップ体制が承認されました。

 炉型開発に関しては、GIFがこれまで取ってきたデザイントラック方式と民間主導のデザインコンセプトの関係についても協議され、共通設計概念及び実証事例として扱い、両者の交流を進めていく案などが提示されました。 (これまでGIFでは、デザイントラックとして、典型的なプラントシステムを定義し、開発項目を摘出及び協力を実施してきた。たとえば、ナトリウム炉の場合、プール型炉、タンク型炉、SMR型炉である。一方、民間主導のデザインコンセプトの開発も現在進んでいるため、典型的なシステムを包含しているこれらのデザイントラックは、引き続き課題抽出対象、共同研究開発の指針として機能させていき、民間主導のデザインコンセプトは、それらから生じる研究開発成果の反映先として認識していくということ。)
 また、評価手法等に関するワーキンググループ/タスクフォースの活動は、近年、GIFの目標に係る評価手法の開発及びその設計への適用に関連する活動のみならず、機会を促進する活動に対象を拡大している。そのため、教育・訓練WGは、通常の月1回のGIF技術ウェビナーのみならず、パネリストを含む討論形式のセミナーや外部機関とのジョイントセミナーなどアプローチを拡大しており(なお、通常の技術ウェビナーも外部講師の招へいや開発コンセプトや考え方の紹介など広義の技術セミナーを実施している)、原子力エネルギーの非電力利用TF(NEaNH-TF)など新しい切り口のタスクフォースが設定された。 これらの背景から、炉型開発に対する評価法開発側からの要望提示や、上級産業界諮問パネル(SIAP)メンバーから、特定のGIF成果に対するレビュー要望(the draft position paper on technology-inclusive, risk-informed approachなど)が提示されるなど、成果の活用拡大に関するアイデア交換が行われた。2022年度に実施予定のForum Industry 2022は、関係するステークホルダーが集い、実装を加速していくうえで最適のイベントとして評価を得、今後、採択されたアクションプランを鋭意実施していくこととなった。

 第4世代炉の社会実装を加速していくための今後の体制としては、2022年1月より、アリス・カポニティPG委員が(米、DOE)が議長を務め、現議長である上出PG委員(日、JAEA)は、3年間の任期を終了し、今後は、副議長として、その任を果たすこととなった。カポニティ委員(現、規制担当副議長)は、日本の議長期間中の成果を改めて、GIF参加国に強調するとともに、今後の重要ミッションとして、1)気候変動対策としての第4世代炉システムの強化(柔軟な運用と非電力利用)、2)研究開発から実証/実装への移行を支援(技術:Technical readiness、規制:Regulatory readiness、経済性向上)、3)産業界との連携強化強化(Industry engagement、SIAP)、4)第4世代炉に関わる人材ネットワーク(Gen IV talent pipeline)を挙げた。このように、日本が議長を務めた3年間は、米仏をはじめとするGIF加盟国から、過去の活動を総括し、第4世代炉の実証/実装にむけて、新しい1歩を確実に踏み出した期間として賞賛され、日本のリーダーシップは高く評価されました。


次期GIF議長が摘出した日本の成果/貢献
  • GIF completed its second decade as the sole international organization dedicated to collaborative R&D on Gen IV systems
  • Initiated substantive engagement with the private sector through a series of workshops
  • Deepened GIF’s role in climate change initiatives, including the Clean Energy Ministerial
  • Elevated GIF’s education and training efforts from a task force to a working group
  • Made significant strides in advancing the safety framework of Gen IV systems, including strengthened collaboration with IAEA and WGSAR
  • Advanced a substantial update to PRPP white papers for the six Gen IV systems
  • Launched a new initiative on non-electric applications of nuclear heat
  • Completed a much-needed refresh to the GIF brand and communication products


政策グループ会合の様子

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