第4世代原子力システムの目標
第4世代原子力システムには、4分野(安全性と信頼性、持続可能性、核拡散抵抗性と物理的防護、経済性)で8つの目標が定められています。多くの国でこの目標を共有し、21世紀の経済、環境、社会に対するそれぞれの要求に応えようとしています。
第4世代原子力システムの目標 | |
分野 | 開発目標 |
安全性と信頼性 | SR-1 安全性と信頼性 ・優れた操業時の安全性及び信頼性を有すること |
SR-2 炉心損傷 ・炉心損傷の頻度が極めて低く、その影響も極めて小さいこと | |
SR-3 緊急時対応 ・事故収束をプラント敷地内で図り、プラント敷地外での緊急時対応が不要になること | |
持続可能性 | SU-1 資源有効利用 ・大気汚染を伴わない持続可能なエネルギー供給源であること。また、世界規模のエネルギー供給において、長期にわたる安定したシステムの利用が可能であり、効率的な燃料の利用が可能であること |
SU-2 廃棄物の最小化と管理 ・放射性廃棄物の発生を最小限に抑えることで、それに伴う将来の長期的な負担を大幅に軽減すること。また、それにより、公衆の健康確保、環境保全が容易になること。 | |
核拡散抵抗性と 核物質防護 |
PR&PP 核拡散抵抗性と核物質防護 ・拡散及び盗難されにくく、並びに転用が困難であること。また、テロ行為に対する物理的防護がなされていること。 |
経済性 | EC-1 平均コスト ・他のエネルギー源よりもライフサイクルコストで優位性をもつこと |
EC-2 資本のリスク ・他のエネルギープロジェクトと同程度の財務リスクであること |
GIF参加国は本目標の達成を目指して研究開発協力を行っています。本課題の解決は、原子力システム、エネルギー変換システム、燃料サイクル施設の設計及び建設に関連するすべての技術を革新的に促進させるものです。
第4世代システムの開発を確実に進めてゆくためには開発国による国際協力が不可欠です。開発国が協力することで、複数のシステムと技術オプションを同時に追求することができ、さらに自国の資源不足により選択肢を早まって狭めるというようなリスクも防ぐことができるのです。