第2回 GIF 先進製造技術に関するワークショップ


 原子力設計規格では、通常、認定された材料やプロセスしか使用できないことになっています。また、新しい材料や新しい製造プロセスを認可するには、長くて面倒な手続きが必要です。一方、現在の先進的な製造業の発展は、新しい材料や方法を認定し、設計コードに導入する能力よりもはるかに速く発展しているため、技術革新が阻害され、導入が進まない可能性があります。革新的な材料や機器を採用した先進的な原子炉を合理的な期間で市場に投入するためには、これらの問題に対処する必要があり、このような問題に対処するため、GIF AMMEタスクフォース(AMME-TF)が設立されました。

 AMME-TFは2021年11月に、第2回ワークショップを、ウェブ会議形式で開催しました。このワークショップの目的は、先進製造技術の認定を加速する機会/方法/課題など(特にモデリング/シミュレーション技術の導入)を世界のAMM関係者間で共有し、各国/各機関の状況を相互理解するとともに、機会の促進に関するアクションを明確にしていくことです。そのため、AMME-TFは、本ワークショップを基調講演と2回の小グループディスカッションで構成し、全体の3/4をグループディスカッションとすることにしました。前回ワークショップ(2020年2月)に参加していた研究機関、大学、製造/販売関係者のみならず、規制関係者も含む多様な分野からの参加があり、合計で約50名のAMM関係者が本ワークショップへ参加しました。

 基調講演では、先進製造技術の原子力分野への導入に向けたモデリング/シミュレーション技術の活用について、米国(University of Pittsburg)およびフランス(CEA)の活用状況/事例が紹介されました。また米国NRCから米国での規制側のアクションプランが紹介されるとともに、イノベーションの現場からの視点として、ベンダー3社(Westinghouse, Framatome, General Atomics)の現在の取組みと適用製品、課題意識についての講演が行われました。

 グループディスカッションでは、分野の偏りが少ないように参加者を小グループに分割し、各グループで設定テーマに沿った議論が行われました(SWOT分析やマインドツリー分析など事前に推薦されたサブリーダーのコーディネートによる議論)。

 第一のグループディスカッションのテーマは、先進製造技術の認定を加速するためのモデリング/シミュレーション技術の活用方法(opportunity)で、5つのグループで議論が実施されました。結果として、製造プロセスのシミュレーション、製造物の微細構造と強度の関連付け、データベースの拡充、製造プロセスのモニタリングの活用、モデル及びシミュレーション技術のベンチマーク等が機会として提案されました。(参加者の技術的背景や各国でのモデリング/シミュレーション技術の導入状況などにより、各々優先順位や適用対象などは異なっていたのですが、5グループで提案された内容をまとめるとこのような機会が先進製造技術の活用/認定を加速する項目として挙げられました。)

 この結果を受けて第二のグループディスカッションでは、プロセス制御、微細構造と物性の予測、モデル及びデータの共有、規格基準化の4つのテーマでそれぞれグループを作り、実現に向けた具体的方策についての議論が行われました。結果として、国際協働、データベースやソフトウェアの共有、他分野との連携、製品物性の予測のための機械学習活用等の提言が行われました。(機会としては、モデル及びシミュレーションの対象は、設計/製造段階から検査/認証段階まで、また微細構造から製品構造まで広くあげられ、AMM技術に関しては、製造段階あるいは微細構造からモデル化/シミュレーション計算していく有効性が指摘されていたのですが、実現に向けた方策としては、通常のモデル化/シミュレーション技術に加え協働/共有/連携の有効性と機械学習の活用があげられました。一方、現在進行している設計のデジタル化の流れの中では、データやコードなどを分割/共有/連携していくことが益々重要になってきていることも同時に指摘されました。)

 AMMEタスクフォースでは引き続き、先進製造技術の導入に関連するステークホルダーとの連携を図って参ります。この一環として、2022年開催予定のGIF Forum with Industry 2022においてワークショップを企画し、さらなる産業界との連携深化を図る予定です。