GIF活動発表/講演


 GIFの経緯、狙いは、GIFホームページのMissionコーナーで紹介している通りですが、日本の貢献を含むGIFの存在が対外的にもより着目されてきており、国内外を通して活動を紹介する機会が増えてきています。そこで、最近、活動を説明した内容を下記で紹介します。


GIFを含む世界の革新炉・高速炉開発の動向
 2025年9月1日に令和7年度「つるが原子力セミナー」基調講演にて、 早船浩樹GIFリサーチ&インフラストラクチャー担当副議長(JAEAエネルギー開発領域副領域長)が、「次世代革新炉開発と第4世代原子炉国際フォーラム」というタイトルで 講演を行いました。京大黒﨑教授の第七次エネルギー基本計画の紹介に続き、早船氏が、ナトリウム高速炉開発動向を、ロシア、中国、インド、米国、フランス、カナダの 開発状況とともに紹介し、さらにGIFで国際基準化を進めている第4世代炉の安全アプローチやGIFとIAEAやOECD/NEAの連携の様子等を紹介しました。 この早船氏による、現在各国で開発が続いている高速炉の活動は、今後、産業界との連携を含む、より密接な協力関係として深化していくだろうという講演に続き、 文部科学省研究開発局の有林原子力課長が、新しいエネルギー基本計画を踏まえた我が国の原子力人材育成の取組みの様子を紹介し、 令和7年度国際原子力人材育成イニシアティブ事業「つるが原子力セミナー」は盛況のうちに閉幕いたしました。


第4世代原子力システムにおける原子力イノベーション
 2023年7月31日にNIB2023が 原子力イノベーター養成プログラム(Nuclear Innovator Cultivation Program:NICP)と 米国ニュークリア イノベーション アライアンス(Nuclear Innovation Alliance: NIA)の共催で 東京工業大学大岡山キャンパスにて開催されました。「未来に向けた革新的なクリーン・エネルギー・システムの必要性」というテーマのもと、上出副議長が持続可能な社会を目指す上での第4世代原子力エネルギーの重要性、 第4世代原子力国際フォーラム(GIF)活動の紹介、非軽水炉型のSMR開発のトピック、原子力イノベーションとしてのナトリウム冷却型高速炉開発におけるトピックなどを紹介した後、パネル討議に参加しました。 パネル討議では、原子力工学分野の大学院生・学部生および若手社会人のほか、法律や機械工学などを学ぶ大学院生や、エネルギー・気候変動分析やエネルギー政策に携わる若手専門家などが世界各国 (米国、英国、アルゼンチン、ジャマイカ、イタリア、オーストリア、ベルギー、ガーナ、ナイジェリア)から参加しており、1時間半にわたる活発な議論が行われGIF活動への理解も促進されました。


新型炉の開発と第4世代原子力システム国際フォーラムの活動の紹介
 2023年6月20日に東京で開催されたアジア原子力協力フォーラム(FNCA)2023スタディ・パネルにて、 上出副議長が「Advanced Reactor Developments and GIF Activities」 のタイトルで持続可能なエネルギーシステムと環境負荷、GIFの目的/経緯、第4世代炉の開発目標、開発炉型、現在のミッション、各システムの活動状況、タスクフォース及び手法開発WGの活動状況、 外部国際機関との連携(IAEA、NEA、WNA、CEM等)、GIF副議長ミッション(ネットワーク・教育)の取り組み(GIF Webinar Guide、Guide Book等)、世界の小型炉開発の動向、日本のSFR開発状況について紹介をしました。


日本の原子力政策におけるJAEAの役割と活動について
 業界ブリーフィングであるAsian Nuclear Energy Briefingが2023年2月27日-28日に日本で開催されました。この会合は脱炭素化の目標を確実に達成するために現在および将来のエネルギーミックスの一部としての原子力エネルギーの経済性、 現在の市場状況、および開発機会を評価するための対話を行うことを目的としています。第7回会合では、現在の世界の原子力エネルギー事情、特にアジアにおける原子力エネルギーの現状および今後の展望に焦点を当てて実践的な概観が行われました。 上出副議長は、「気候変動概念、エネルギー危機、エネルギー安全保障、技術オプションと供給」をテーマとしたセッションの中で基調講演を行い第4世代炉にかかる最近の日本の政策動向および研究開発活動を紹介しました。