第15回GIF-IAEAインターフェース会合の開催


 2021年6月29~30日、WEB会議として、第15回GIF-IAEAインターフェース会合が開催されました。
 本会議の模様は、IAEAからも活動紹介記事として広報がなされております。
 その和訳を以下に示します。原文はこちら



【IAEAとGIF、原子力エネルギーの非電力利用、統合評価システム、先進製造分野で協力】

IAEAとGIFは、原子力エネルギーの非電力利用と水素製造、統合評価システム、先進製造などの分野に協力を拡大することに合意した。この協力関係の拡大は、先月開催された第15回GIF-IAEAインターフェース会合の参加者によって合意されたものであり、両組織の長年にわたる協力関係における大きな節目となる。

Dohee Hahn・IAEA原子力部門長は、「過去15年間、毎年開催されているインターフェース会合は、これまでの共同作業を振り返るだけでなく、将来の協力に向けた新たな分野を模索する機会となっている。このようなアプローチにより、我々は、安全評価方法、核拡散抵抗性・核物質防護、経済性、GEN-IV技術に焦点を当てた当初の協力関係から更なる一歩を歩み始めた」と述べた。

今回の会議では、革新的な原子力システムの技術開発、安全性、経済性、非電力利用を含む様々なアプリケーションについて議論した。また、設計段階からのPR&PP対応、モデリングとシミュレーション、教育・訓練分野についても議論を行った。両組織は、革新的な原子炉に適用可能な安全基準や安全評価手法の開発に関する活動を共有し、相互レビューを行い、安全関連活動を活性化することに合意した。また、核拡散抵抗性と核物質防護(PR&PP)に関する継続的な活動内容と計画についても知見を共有した。

日本の上出英樹GIF議長は、「歴史的に良好な協力関係を築いてきたが、その重要性は時を経るごとに増しており、小型モジュール炉のような特定のカテゴリーの先進的な原子炉の協力にも反映されている。今回、新たな活動分野についても合意し、協力関係を強化することになった」と述べた。

会議では、IAEAの専門家が、各国政府、専門家、規制当局に対して、小型モジュール炉(SMR)の開発、導入、審査のあらゆる側面について、IAEA全体で統合的な支援を提供するという新しいフレームワークの紹介も行われた。また、現在開発中の統合エネルギーシステム評価のための新しいモデリングツールであるFRAMESを紹介した。FRAMESは、低炭素エネルギーシステムに原子力がもたらす経済的価値を定量化するのに役立ち、政策立案者に情報を提供したり、技術的な経済評価を行うための貴重なツールとなる。GIFの代表者は、GIFの活動の最新情報を提供し、6つのGEN IVシステムに関する最近の開発状況を紹介するとともに、GIFの新しいフレームワークである「原子力エネルギーの非電力利用」と「先進製造と材料工学」に関するタスクフォースの活動内容・計画を紹介した。これらは、SMRを含むGEN-IVシステムの安全性、信頼性、経済性を大きく向上させるものである。


GIF-IAEAインターフェース
第4世代原子力システム国際フォーラム(GIF)は、6つの革新的な原子炉設計コンセプトの研究、開発、実証に焦点を当てている。この活動の一環として、GIFのワーキンググループ組織は、第4世代原子炉コンセプトの設計案を、経済性と持続可能性、安全性と信頼性、核拡散抵抗・核物質防護性の観点から分析・評価するための一連のツールを開発・維持している。
IAEAは、加盟国が革新的な先進原子力システムを開発する際に、あらゆる技術分野で支援を行っている。
そのため、GIFとIAEAは、2003年以降、IAEAで毎年開催されているインターフェース会合で、相互の活動状況を紹介するとともに、戦略的開発アプローチを協議している。

アジェンダは、こちら
会議における川崎PDからのGIFの構造、活動連携/連携機関、近年の成果の説明資料は、こちら